フリーランスってどうやってなるの?個人事業の開業手順を徹底解説

フリーランスとは?

「フリーランス」って最近よく聞くけど一体なんなの?個人事業主と一体何が違うの?というお声をよく聞きます。

フリーランスとは、会社や団体に所属せず(雇用契約を結ばず)、仕事案件によってその都度(業務委託・請負等の)契約し仕事をするという働き方をする人のこと。

私のようなライターや、カメラマン、イラストレーター、プログラマー、デザイナーなどの職種が多く、企業に雇用されていないので、「労働基準法」などの労働法規が適用されませんが、自分の裁量で働けるところなどが魅力で近年増え続けています。

フリーランスと個人事業主とよく比較されますが、基本的に違いはありません。ただ、個人商店を経営する場合は、仕事案件によってその都度契約するわけではないので、フリーランスとは言いません。税法上では、個人事業主として開業届けを提出した人のみが個人事業主とされます。

フリーランスから法人化した場合は、フリーランスとは言わないと思っていたのですが、Wikipediaには「社会的に独立した個人事業主もしくは個人企業法人」と記載があったので法人も入るみたいです。この辺は結構あいまいです。

フリーランスのメリット

・仕事をする時間や場所を自由に決められる
・苦手な人付き合いをしなくてよい
・単価を自分で設定できる

私はライターですが、カフェや共用のオフィス(コワーキングスペース)を借りて仕事をしたりしています。会社員時代は朝6時20分の電車に乗って出社していた時代もありましたが、そんなめちゃくちゃ早い時間に起きなくてもいいのでかなりストレスは少ないです。

また、在中型のプログラマーは別としてオフィスに出社する必要もないので、人とそこまで付き合わなくていいです。付き合いたい人とだけ付き合うことができるのでこの点もメリットだと思っています。

フリーランスとして稼いでいくには単価設定が非常に大事。最初に安く受けていても少しずつ単価を見直していく必要があります。取引先にも喜ばれてこちらも余裕を持って仕事に望める。そういった関係を作っていく必要があります。

フリーランスのデメリット
・収入が不安定
・雇用保険や社会保険に加入できない
・会計処理、確定申告が必要
・社会的信用が低く、クレジットカード、住宅契約、ローンを組むのが難しくなる

収入不安定というのがデメリットかどうかはわかりませんが一般的によく言われるので記載しておきました。

雇用保険や、社会保険に加入できず、会社に勤めている場合は会社と折半になる保険料もフリーランスの場合は全て自分で払わないといけなくなるので、基本的に値段が上がります。

会計処理、確定申告が必要となります。ただ、これは事業を行う上で発生した費用を経費とすることができるので支払う税金を少なくできるというメリットでもあります。

クレジットカード、住宅契約、ローンについては、社会的に信用のある会社員の時にしておきましょう。下記の記事で会社を辞める前にやっておいた方がいいことについて詳しく書いています。

会社を辞め、フリーランスになる前にやっておくべきこと【生活編】

 

フリーランスってどうやってなるの?

フリーランスとは先ほど申し上げた通り、

フリーランスとは、会社や団体に所属せず(雇用契約を結ばず)、仕事案件によってその都度(業務委託・請負等の)契約し仕事をするという働き方をする人のこと。

なので、会社を辞めて、どこかの会社から仕事を請けたりするとその時点でフリーランスといえばフリーランスです。

実は今の時代会社から仕事を請けるのはそこまで難しいことではなく、クラウドワークスなどに登録しておけば簡単に請けられます。ただ、ライターだと1文字1円以下などの単価の低い仕事が溢れており、本気で稼ぐにはまたやり方を考える必要があります。

フリーランスは、事業収入が20万円を超えると、確定申告を行なわなければなりません。確定申告にも種類があるので説明しますね。

 

白色申告と青色申告

白色申告

学生時代、アルバイトで130万円以上稼いだ方や、サラリーマンでも株や副業で20万円超の所得がある場合確定申告が必要になりますよね。青色申告の申請書を提出していない人が行うのが白色申告です。フリーランスでも白色申告を行う人もいます。

白色申告のメリット

・簡単なので初心者向け
・経理にあまり時間がかからない

まあ、一言でいえば簡単というのがメリットです。

白色申告に対して、手はかかるのですがメリットが大きい青色申告というものがあります。

 

青色申告

青色申告は簡易簿記(10万円控除)、現金式簡易簿記(10万円控除)、複式簿記(65万円控除)の3種類があります。青色申告は申告を行う年の3月15日までに税務署に開業届と青色申告承認申請書の届け出が必要です。つまり、2020年(令和元年)から青色申告したい場合は、原則として2019年3月15日までに申請書を提出しなければなりません。

ただ、新規開業した場合(もともともともと事業をしていて、白色申告から青色申告に切り替える場合でない場合)は開業日から2ヵ月以内に提出すると、その年度の分の青色申告ができます。

例えば、2019年8月5日に開業して、2019年10月1日に申請した場合などは2020年から青色申告が可能になります。

開業届と青色申告承認申請書などの書類はfreeeという会計ソフトで無料で簡単に作れますので、後ほど紹介します。

白色申告との違いは以下の通り。

青色申告の帳簿は複式簿記による帳簿付けを行うため、簿記に関する知識も必要になります。しかし、青色申告で貸借対照表及び損益計算書を添付して確定申告を行う場合は、最高65万円の青色申告特別控除を受けられます。その他にも、青色専従者控除や赤字の繰り越しなど、さまざまな特典があります。

簡単にいうと

白色申告→簡単だけどあまりメリットなし
青色申告(10万円控除)→65万円控除よりは簡単、10万円だけ控除
青色申告(65万円控除)→貸借対照表も必要で、帳簿なども大変ですが65万円控除

という感じです。65万円控除というのは、65万円税金が安くなるわけではありませんよ。

控除について説明しますね。

控除とは?

控除って、よく聞きますけど、知らない人も多いですよね。

例えば、パソコンを1台1万円で仕入れて10万円で売ったとします。

100台売れたとしたら、売り上げが1,000万円。1,000万円の売り上げを作り出すのに、100万円の仕入れ値がかかってますよね。

利益自体は1,000万円 ー 100万円の900万円なわけで、この900万円に対して税金がかかってきます。

所得税率は所得金額によって変わりますが、900万円の課税所得の場合は23%を乗じた金額から636,000円を差し引きます。(基礎控除、社会保険料控除などは除いて考えています)

・控除ない場合(白色申告)

(1,000万円 ー 100万円)× 23% ー 636,000円 = 1,434,000円 が所得税額です。

・65万円の控除がある場合(青色申告)

(1,000万円 ー 100万円 ー 65万円)× 23% ー 636,000円 = 1,284,500円 が所得税額です。

65万円の控除のあるなしで、所得税額が15万円も違ってくるんですよね。

実際には38万円の基礎控除や、社会保険料控除などさまざまな控除があるので、所得税額が変わってきますが考え方としてあげました。

白色申告と青色申告の差は大きい

実際に青色申告65万円控除と白色申告の場合の納税額(所得税・住民税・国民保険料)を比べてみましょう。

売り上げ・・・500万円、経費・・・150万円の場合で考えてみますね。

計算が複雑になるので、税金計算シミュレーションができるサイトを使用しました。

参考元:個人事業主のかんたん税金計算シミュレーション|スモビバ

所得税に66,000円、住民税に65,000円、国民健康保険料に60,000円、合計19万円の差が出ます。65万円控除の大切さがわかりますよね。

ということでよほど会計が苦手という人以外は青色申告にした方がいいです。

帳簿など最初は難しい面もありますが、「マネーフォワードクラウド確定申告」という会計ソフトを使うと非常に簡単に会計処理ができます。もちろんfreeeでもできますが、家計簿マネーフォワードのアプリとの相性がいいので会計については、マネーフォワードクラウド確定申告をおすすめしています。

開業届・青色申告承認申請書を作ってみよう!

開業届・青色申告承認申請書は国税庁のページからもダウンロードできるのですが、freeeで作った方がわかりやすいです。私もfreeeで作りました。

仕事の概要、事業開始予定日など、質問に答えていきましょう。

予定は適当で大丈夫です。納税額の試算もしてくれるので非常にわかりやすいですね。

全部記入したら次へのボタンを。

「書類を確認する」ボタンを押すと、PDFでダウンロードできるようになっています。

はい、完成!あとは印鑑を押して税務署に郵送もしくは直接持っていくだけ。簡単ですね。

 

おわりに

白色申告と青色申告、開業の手順などわかりましたか?色々と聞かれることが多いのでわかる範囲で記事にしてみました。これから仕事を辞めてフリーランスという働き方にチャレンジしようと考えている方の手助けに少しでもなれば嬉しいです。フリーランスになる前に知っておいた方がよいことを下の記事にもまとめているのでよかったら読んでみてください。

 

会社を辞め、フリーランスになる前に知っておくべきこと【国保年金・税金編】

会社を辞め、フリーランスになる前にやっておくべきこと【生活編】